JR京都駅を背に河原町通りを上がると、七条通りに行き当たる。その交差点からほど近い菊浜地区の一角にあるのが、murmur coffee kyoto(以下、murmur coffee)だ。高瀬川に面して大きな窓が設置され、オープンテラスのように解放感あふれる店内。そこでは毎朝お店で焙煎した豆を使い、まろやかで香り豊かなmurmurブレンドなどを提供している。
江戸時代から花街として発展してきた菊浜地区。murmur coffeeがオープンした2016年頃にはお茶屋を改装した飲食店やゲストハウスが続々とオープンして、にぎやかさを増していった。当時をふり返って山内さんは「エリアの転換期を迎え、人の流れが大きく変わりました。そこで、130年以上にわたり菊浜地区に本社を置く私たちの会社・灰孝本店も、その活性化にさらに貢献できないかと考え、本社の一階を改装してmurmur coffeeをつくりました」と語る。そうして現在では、地元の人や観光客が足を運ぶスポットとしてだけでなく、菊浜地区と学生をつなぐ ”架け橋” として根付いてきた。
INFORMATION
京都市下京区八王子町103
9:00~17:00
日曜(不定休日あり)
TEL:075-708-6264
murmur coffee kyoto:http://murmur-coffee.com/
Facebook:https://www.facebook.com/pages/Murmur-Coffee-Kyoto/1804907109791576
murmur coffeeがオープンしたのと同時期に、京都工芸美術大学(以下、京美)の東山キャンパスが近くに移転してきた。その縁で、京美の学生がmurmur coffeeの器やカトラリーをつくるプロジェクトが発足。以来、毎年プロジェクトは実施され、学生が菊浜地区でクリエイティビティを発揮できる場として定着してきた。