murmur coffee kyoto

murmur coffee kyoto

murmur coffee kyoto

JR京都駅を背に河原町通りを上がると、七条通りに行き当たる。その交差点からほど近い菊浜地区の一角にあるのが、murmur coffee kyoto(以下、murmur coffee)だ。高瀬川に面して大きな窓が設置され、オープンテラスのように解放感あふれる店内。そこでは毎朝お店で焙煎した豆を使い、まろやかで香り豊かなmurmurブレンドなどを提供している。

 

江戸時代から花街として発展してきた菊浜地区。murmur coffeeがオープンした2016年頃にはお茶屋を改装した飲食店やゲストハウスが続々とオープンして、にぎやかさを増していった。当時をふり返って山内さんは「エリアの転換期を迎え、人の流れが大きく変わりました。そこで、130年以上にわたり菊浜地区に本社を置く私たちの会社・灰孝本店も、その活性化にさらに貢献できないかと考え、本社の一階を改装してmurmur coffeeをつくりました」と語る。そうして現在では、地元の人や観光客が足を運ぶスポットとしてだけでなく、菊浜地区と学生をつなぐ ”架け橋” として根付いてきた。

INFORMATION

住所

京都市下京区八王子町103

営業時間

9:00~17:00

定休日

日曜(不定休日あり)

お問い合わせ

TEL:075-708-6264

京美の学生が手がけた作品
京美の学生が手がけた作品。2020年は枯山水をテーマにした珈琲カップ&ソーサーや、高瀬川の水面を模した木皿が採用された。歴代の作品も引き続き使用されている。

murmur coffeeがオープンしたのと同時期に、京都工芸美術大学(以下、京美)の東山キャンパスが近くに移転してきた。その縁で、京美の学生がmurmur coffeeの器やカトラリーをつくるプロジェクトが発足。以来、毎年プロジェクトは実施され、学生が菊浜地区でクリエイティビティを発揮できる場として定着してきた。

制作にあたり、まずはエクスカーションを通じて、学生たちは菊浜地区の特徴や森鴎外の小説の舞台としても有名な高瀬川の歴史を学ぶ。その後、複数チームに分かれ企画を立案。コンペ形式で採用された案が製品化され、店内で使用される。そして、実際に作品を使った店員さんやお客さんの反応を学生にフィードバックしているそうだ。

高瀬川の風景
高瀬川の風景、いたるところから歴史の名残が感じられる。
高瀬川にかかる橋

こうした取り組みは、学生と地域を「つくり手と使い手」という顔の見える関係に変換する。作品を通じてお互いの存在を認識・理解することは、菊浜地区と新しくつくられた場所や人との距離を近づける作用があるのかもしれない。murmur coffeeはそんな学生と地域をつなぐ役割を担っているのだ。

京美の学生が手がけた作品

さらにmurmur coffeeは、学生と社会をつなぐ架け橋にもなっている。学外で自分の作品を使ってもらい、時に評価を受け取ることで、学生はものづくりの手ごたえや嬉しさ、時には厳しさをも実感するはずだ。そうした経験は、ものづくりを生業にする具体的な将来像を抱かせ、より真摯に学び・行動する意欲を育む。ゆくゆくは、自分が地域や社会を構成する一員であるという意識も芽生えさせるのではないだろうか。

 

誰もが気軽に訪れ、ほどよい距離で交わるmurmur coffeeは、これからもさまざまな架け橋となり、新しいつながりや取り組みを生んでいくはずだ。murmur coffeeで高瀬川を眺めながら珈琲を飲む時間も、私たちと何かをつなぐ架け橋になっているのかもしれない。

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写真・編集

岡安 いつ美
岡安 いつ美

昭和最後の大晦日生まれのAB型。大学卒業後に茨城から上洛、京都在住。フォトグラファーをメインに、ライター、編集等アンテナではいろんなことをしています。いつかオースティンに住みたい。

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