2人のホテルにありがたくお世話になり、朝から一緒に博物館へ行く。地下鉄で乗り換えをして約10分、serrano駅という駅の近くだ。街中らしくブランドのショップや、背の高いマンションが通りに立ていた。
博物館の隣にちょっとした広場があるのだが、街中にも関わらずかなり広いスペースを陣取っている。京都は狭いのでこういう所があることは素直に羨ましい。公園にはコロンブスの偉業を讃える (?) モニュメントがあった。もちろんスペイン語で読めないが大きくて迫力がある。質量感がたまらない。
博物館に入る前にキャッシングで、現金を補充しようと銀行に入る。ATMでキャッシングを試みるもエラー、もう一度試みるも再度エラー。もう一枚のクレジットを試みるがこれもエラー。時間もそんなにないのであとでひとりで試すことにする。
国立博物館は古い建物のわりに、中はめちゃくちゃ綺麗でかなり広い。しかも入館料は3ユーロと激安。内容は先史時代から大航海時代までのスペインの歴史、といった感じで国土の変化や歴史、それに伴う様々なアイテムが整然と並べられている。英語の注釈もあるし、そもそも見ているだけでも楽しめるように工夫がされており、3人ともわりと楽しむことができた。”世界の様々な時代のお金”を取り扱っているコーナーがあったのだが、古い硬貨も凝った細工がしてあった。それを流通させるために、そのようなレベルの高いものを同じようにいくつも作るという涙ぐましい努力というか、人類の情熱というかを感じてちょっとグッときてしまった。
前日に調べていたのだが、1225のrenfeに乗れば1930にバレンシアに着く。その次は23時着のものしかなく、遅くなるとちょっとホテルまでの道中が不安なのでその電車に乗る予定にしている。1130に2人とまた京都で会う約束おして、先に博物館を出る。昨日降り立ったマドリッドの中心地アトーチャ駅に向かった。
この一週間、都会に全然いなかったため全く頭になかったのだが、平日の真昼間にも関わらず駅が激混みしていた。かなりの人数が並んでおりチケットがなかなか買えず、そうこうしているうちに時刻は12:20。諦めるしかない。はじめての街に23時に着くのはちょっと怖いのと、早くバレンシアに行きたかったので、悩んだ挙句aveに乗ることにした。券売機で調べたら13時前に出発して、15時前に着くものがあるので時間は丁度いい。チケットは倍近い値段がするが仕方ない。その分バレンシアを楽しみたい。
aveの切符を買う時、券売機で指定席を決められるのだが、もちろん隣に人がいない窓際を希望した、はずだった。なのに乗り込んだaveには先に巨漢の女性アフリカンが座っている。別に席は窓際でなかろうが構わないのだが、とにかくこの女性身体がふくよかでおそらく体積で言えば僕の倍くらいある。そのくせくっそ足を広げてくるものだから座席の狭いこと狭いこと。体臭もきついし、昨日の移動時間の5時間半の方が今回の1時間半よりよっぽど居心地がよい結果となってしまった。ファックオフ!
バレンシアで予約したゲストハウス、“Russafa Guest House”は近くにメトロの駅があることは確認していたが、まさかのバレンシア駅近徒歩10分圏内だった。大通りからは少し中に入り込んでいるため少し迷ったが、無事に到着。中からおっさんが迎えてくれた。間違えて女性部屋を予約していた僕のためにベッドをひとつ空けてくれたり、おっさんは優しく仕事のできる男だった。おっさん可愛いよおっさん。
今日はまだなにも食べていなかったので、すぐそこにあるパン屋でパンとコーラを購入。もちろんコーラは冷えていたし、パン生地もサクサクで美味しかった。
ホテルに戻って少し休み、バレンシアの街へ繰り出していく。直感というものはわりと馬鹿にならないもので、来る前からなんとなくこの街は好きになるような気がしていた。そこそこ都会で、かと言ってうるさすぎず、どこかのんびりしているこの街は妙に居心地がよい。目的地を作らずひたすら真っ直ぐ歩いていく。新市街から旧市街を抜け、公園まで抜けて行く。