「文化の入口はどこだ?」とは?
珈琲を飲んでふぅっと肩の力を抜くひと時、ついつい人は店内に佇む本棚に目を向けてしまうもの。なにげなく手にとった本から知識を身につけたり、新たな発見があったり……気づかないうちに様々なカルチャーに触れています。珈琲はそんなカルチャーとの「入口」をつくってくれるものです。
喫茶店の本棚は、お店の個性や雰囲気を醸し出したり、ギャラリーとして機能したりと様々な役割を担っているのでは?そこでアンテナでは、関西エリアを中心に「本棚のある喫茶店」にインタビューを行う企画をスタート。人は珈琲を入口に、「どんなカルチャーを受け取るのか」、「お店の本棚はどんなものを具現化するのか」について模索します。
今回は、「珈琲×本棚×工芸」をテーマに京都市内のお店を訪ねた。面白いことに、どのお店の本棚にも工芸にまつわる本はほとんど置かれていなかった。その代わりに、お店の歴史やつながりを示していたり、地域に住む人との交流が生まれる図書館のような機能を持っていたりと、お店を取り巻くコミュニティを垣間見ることができた。
まずは本棚に近づいて、ぼーっと眺めてみてほしい。本のラインナップや展示品からそのお店の個性や店主の思いが見えてくるはずだ。そして気になった本に手を伸ばし、珈琲を片手にゆっくり読んでみよう。そこから新しい文化の扉が開くのだ。
※新型コロナウイルス感染症の状況等により、店舗情報は変更される可能性がございます。詳しくは各店舗のHP等をご確認ください。また本に触れる際には、手の消毒等にご協力をお願いします。
Kaikado Café
1875年創業、初代からの手作り製法を貫く茶筒の老舗・開化堂。その開化堂が2016年にオープンしたのがKaikado Caféだ。旧京都市電の車庫兼事務所を改装した店内に入ると、高い窓から差しこんだ光に包まれる。カウンターで個人焙煎のパイオニア・中川ワニさん焙煎のKaikadoブレンドコーヒーを注文して席に着くと、茶筒をはじめ、さまざまな工芸品が店内のそこかしこに置かれていることに気づく。